牛や羊などの乳を乳酸菌や酵素によって固めたチーズは、原料となる乳の種類や加工方法によってさまざまな種類に分かれます。それは、スーパーに並ぶ一般的なものから、専門店でしか買えないこだわりのものまで。今回は代表的なチーズの種類と、相性の良い料理をご紹介します。
フレッシュチーズ
熟成させず、新鮮な状態を楽しむチーズです。水分が多く、さっぱりした味のフレッシュチーズは、ほのかな酸味でくせが少ない特徴があります。
フレッシュチーズの種類
カッテージチーズ、クリームチーズ、マスカルポーネ、モッツァレラチーズなどが代表的です。
フレッシュチーズと相性の良い料理
カッテージチーズは脂肪分が少なくヘルシーなので、フルーツや野菜と一緒にサラダ感覚で食べるのがおすすめです。
クリームチーズやマスカルポーネは乳脂肪分が多く、甘みがあります。塩分や酸味が控えめなのも特徴の一つです。チーズケーキやティラミスなどお菓子の材料としても使われます。マスカルポーネを使ったリゾットやパスタも人気のメニューです。
カビを使って熟成させたチーズ
カビチーズには、白カビを表面に繁殖させて熟成させるタイプと、青カビを内部に繁殖させて熟成させるタイプの2種類あります。白カビチーズは、柔らかく味にくせがないので万人向けといえるでしょう。青カビチーズは濃厚な風味とくせの強い味、塩味が強い特徴もあり、好みが分かれる個性的なチーズです。
カビを使ったチーズの種類
白カビチーズは、日本ではカマンベールがよく知られています。他にブリー・ド・モーやヌーシャテルなどがあります。青カビタイプを代表する「ゴルゴンゾーラ」「スティルトン」「ロックフォール」は世界三大ブルーチーズとして有名です。
カビを使ったチーズと相性の良い料理
白カビを使ったチーズは、そのままワインのおつまみとして食べたり、クラッカーやフルーツと一緒に食べたりするのがおすすめです。
青カビチーズのなかでも、ゴルゴンゾーラは比較的甘みがあって食べやすく、パスタやサラダに加えても美味しく食べられます。ババリアブルーやロックフォールは風味をダイレクトに味わえるよう、そのまま食べるのがおすすめです。はちみつをかけると風味がまろやかになり、より食べやすくなります。
セミハードチーズ、ハードチーズ
フレッシュチーズをプレスして、水分を抜いてから熟成させたチーズです。ある程度水分が残っているのがセミハードチーズで、さらに強くプレスして水分を抜いたものがハードチーズと呼ばれています。
セミハードチーズ、ハードチーズの種類
セミハードチーズは、ゴーダチーズ、チェダーチーズが有名です。3~6ヶ月ほど熟成させて仕上げます。くせがなくて食べやすいのが特徴です。
ハードチーズは6ヶ月~1年ほど熟成させるので、非常に固く濃厚な旨みがあります。エメンタール、パルミジャーノ・レッジャーノ、グリュイエールなどは日本でも知られています。
セミハードチーズ、ハードチーズと相性の良い料理
そのまま食べても美味しいセミハードチーズですが、控えめな存在感が食材の美味しさを引き出してくれます。パスタやピザに合わせたり、グラタンにかけて溶かしたりと、さまざまな料理に使える魅力的なチーズです。
ハードチーズはとても硬いので、そのまま食べる場合は薄くスライスして食べましょう。おろし金で細かく削り、サラダやパスタなどにかけると料理のアクセントになります。
セミハードチーズ、ハードチーズ
1種類または数種類のナチュラルチーズ(生乳から作られるチーズ)を原料とし、熱を加えて溶かし再度固めたのがプロセスチーズです。味が一定で、長期間の保存ができます。日本やアメリカなどではその手軽さから多く食べられています。
プロセスチーズの種類
溶かし固めて作るので、いろいろな形に加工可能です。スライスタイプや、アルミに包まれたブロックタイプなど、さまざまな形があります。
プロセスチーズと相性の良い料理
スライスタイプは、トーストなどのパンにのせて焼くのが一般的です。ブロックタイプは、そのままおつまみやおやつとして食べるのもよいでしょう。
織田調理師専門学校では……
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