調理前に野菜の湯通しをすることで料理の見た目や味がよくなり、仕上がりに差が出ます。 今回は、湯通しをすることで得られる効果や、野菜ごとに正しい湯通しの方法をご紹介します。
「湯通し」で得られる効果って何?
「湯通し」とは野菜を沸騰したお湯にさっとくぐらせ、表面だけに火を通してすぐに取り出すことです 調理の際に野菜を湯通しすることでアクや臭い、ぬめりが取れ、殺菌効果も得られます。 また、あらかじめ野菜の表面に火を通しておくことで調理時間を短縮でき、野菜のみずみずしさやシャキシャキ感を失わずに仕上げることができます。
「霜降り」と「湯通し」の違い
湯通しとよく似た料理用語に「霜降りにする」という言葉があります。 「霜降り」というのは生の魚や肉の表面に火を通すことです。加熱することで食材の表面が白っぽくなり、霜が降りたように見えることから霜降りと呼ばれます。
湯通しも霜降りも、食材を調理前にお湯にくぐらせるという意味では同じです。 ただ、野菜をお湯にくぐらせても表面が白くなることはないため「野菜を霜降りにする」とは言いません。野菜の下ごしらえは「湯通し」、生の魚や肉の下ごしらえは「霜降り」と覚えておきましょう。
湯通しの正しい方法
湯通しは、野菜を加熱しすぎないことが大切です。あくまで調理の下準備として行うため、中までしっかりと火を通す必要はありません。 湯通しの方法は、野菜を熱湯にくぐらせる、短時間で茹でる、野菜にお湯をかけるなどがあります。 野菜によって火の通りやすさは異なるため、野菜や料理のメニューによって湯通しの方法を変えてみましょう。つぎに、野菜別におすすめの方法を解説します。
キャベツ
キャベツは硫黄成分が豊富なため、調理時間が長くなると臭いの原因となります。湯通しの際は、まず芯をくり抜きます。 大きめの鍋にキャベツがかぶるぐらいのお湯を入れ、沸騰させたあと芯の部分を下にして軽く茹でます。茹でる時間は1~2分程度で大丈夫です。
にんじん
サラダなど、にんじんを千切りで使う際は湯通ししてから使うのがおすすめです。調理前に湯通ししておくと歯ごたえがよくなり、風味と栄養価も損なわれにくくなります。 ただし、にんじんに含まれる「ビタミンB群」は水溶性のため、長時間茹でると栄養素が流れ出てしまいます。千切りのにんじんを湯通しするときは皮をむいてカットしたあと、ざるに入れて熱湯を回しかけましょう。熱湯の量は0.8~1リットル程度が目安です。
ほうれん草
ほうれん草は「シュウ酸」と呼ばれるアクの成分が含まれており、生のままだと食べにくい野菜です。 さらにシュウ酸は体内に入るとカルシウムの吸収を阻害してしまうため、湯通しでシュウ酸を取り除いてから調理することが大切です。 湯通しの前にほうれん草を水洗いし、鍋にたっぷりのお湯を沸騰させます。ビタミンCの流出を防ぐために、塩をひとつまみ入れておきましょう。 沸騰したら、火が通りにくい根元部分から鍋にいれ、1分程度で火を止めます。冷水にほうれん草をつけ、手早く冷ませば完了です。 なお、ほうれん草を彩りとしてパスタなどに加える場合はざるにほうれん草の葉の部分を入れ、熱湯をかける方法がおすすめです。
さやいんげん
さやいんげんは、ごまあえやおひたしなどでそのまま食べる場合は2~3分程度茹でるのが一般的です。 ただし、炒め物で使う際は事前に湯通ししておくことで早く火が通り、調理後もパリッとした食感をキープできます。
さやいんげんを湯通しする前に筋がある場合は取り除き、付け根のヘタを切り落とします。細い物だと1分程度で火が通ってしまうので、炒め物で使う場合は数十秒以内にお湯から引き上げましょう。 湯通しの際は湯量の0.5~1%の塩を加えることがポイントです。下味がつき、同時にさやいんげんのきれいな緑色を引き出すことができます。
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