野菜の下準備は料理の見た目を良くし、調理時間の短縮にもつながる調理法でもあります。 今回は料理に与える影響と、主な野菜の下準備についてご紹介します。
野菜の下準備が料理に与える影響
野菜に限らず、食材の下準備は料理にとって非常に重要です。とくに下準備の基本である「食材の大きさを揃えて切る」ことは、調理する際に火の通りが均一になり、出来栄えと食感が良くなるといったメリットがあります。 以下は野菜の下準備の一例です。どの下準備も料理をおいしく、また効率よく仕上げるために行います。
水にさらす:苦みやえぐみの成分であるアクを取り除きます。
下ゆで:調理前に軽くゆでることで、短時間で味をしみ込みやすくします。また、アク抜きや野菜の色を鮮やかにする効果もあります。
面取り:切り口の角を落とすことで煮崩れを防ぎます。
隠し包丁:野菜の表面に切り込みを入れ、短時間で味をしみ込みやすくします。
世葉菜類と果菜類の下準備
あえ物や炒め物などで重宝する葉菜類と果菜類の野菜。ここではとくに下準備が必要な野菜をピックアップしてご紹介します。
青菜
小松菜やほうれん草などの青菜の根元は土がたまりやすく、火が通りにくいため、十文字の切り目を入れます。下ゆでする際は、沸騰したお湯に根元から入れ、根元が少しかたいくらいで取り出し、流水で冷やして軽く絞ります。流水にさらすことで、きれいな色に仕上がります。
ブロッコリー
つぼみの中に小さな虫が入り込んでいることがあるため、水を入れたボウルにつぼみ部分を10分ほど浸してからふり洗いします。小房に分けるときは、均一に火が通るように同じ大きさに揃えます。下ゆでする際は、かためにゆでてザルにあげ、余熱でちょうどいいかたさにします。水にさらすと水っぽくなるので避けましょう。
なす
なすはアクの強い野菜のため、切ったら10分ほど水にさらします。ただし、すぐに揚げたり、炒めたりする場合は必要ありません。煮びたしにする場合は、味をしみ込みやすくするために表面に格子状の隠し包丁を入れるといいでしょう。
オクラ・きゅうり
オクラはヘタと食感の悪いガクの部分を取り除きます。新鮮なオクラにはうぶ毛、きゅうりにはイボがあるため「板ずり」をします。板ずりの方法は、塩を野菜全体にまぶし、まな板の上で転がすなどして水でサッと洗います。このひと手間で口当たりが良くなり、色鮮やかに仕上げることができます。
きのこ類
きのこ類は洗うと風味が落ちるため、汚れがある場合はキッチンペーパーなどで拭き取ります。食感が悪くなるため、軸の先についている石づきを切り落とし、しめじ、まいたけなどは小房に分けます。なめこの場合は熱湯にサッとくぐらせ、ザルにあげて余分なぬめりを除きましょう。
根菜類の下準備
煮物や炒め物に使うことの多い根菜類の野菜には、下準備するものが多くあります。
大根・かぶ
大根やかぶの皮は筋が多いため、厚めにむきます。大根を煮る場合は、煮崩れないように面取りをし、火が通りやすいように表面に十文字の隠し包丁を入れましょう。
ごぼう
ごぼうの栄養は皮付近にあるため、洗うときは軽くたわしでこする程度にしましょう。また、ごぼうはアクが強い野菜のため、切った後は水に5~10分さらします。
れんこん
れんこんはアクが強く、空気に触れると黒ずんでしまうので、皮をむいて切ったら、酢水に5分ほどさらしましょう。
じゃがいも
じゃがいもは芽を取り除き、皮をむいて切ったら水にさらします。これにより、アクが取れて味がしみ込みやすくなり、口当たりも良くなります。皮をむいてからゆでる際は、熱湯からゆでると煮崩れするため、水からゆでるようにしましょう。
さといも
さといもは切ってそのまま煮るとぬめりがでて、汁がにごったり、とろみがついたりします。そのため、白煮などすっきり仕上げたい場合は、まず皮をむいて塩もみをします。水を入れた鍋に加え、強火で泡がでるまで下ゆでし、水でサッと洗ってぬめりを取りましょう。
野菜の下準備には料理をより良くするコツがいくつも含まれています。覚えてしまえば簡単なものばかりですので、ぜひ、下準備をマスターして、今よりもおいしい料理を作ってみてください。
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