日本の食文化にすっかり浸透した中国料理料理といえば、まず何を思い浮かべるでしょうか。
ラーメン?ギョウザ?
その中でも特に家庭で作る機会が多く馴染み深い定番メニューはチャーハン(炒飯)ではないでしょうか。
今回は単純に見えて奥が深いチャーハン(炒飯)をクローズアップしてみましょう。
チャーハン(炒飯)の発祥は隋代~宋代の中国といわれている
チャーハン(炒飯)の発祥には諸説ありますが、初めて文献に登場したのは『食経』という書物で、そこには7世紀初めの隋の宰相が「砕金飯」という料理を好んでいたということが書かれています。
この「砕金飯」とは今でいうシンプルな卵チャーハン(炒飯)のようなもので、卵に包まれたご飯粒を黄金のかけらにたとえたものだと推測されています。
しかし、この頃はまだ一般的な料理とはなっていませんでした。この頃は「焼く」「蒸す」「煮る」「乾(ほ)す」「漬ける」という調理法はあっても、強い火力で「炒める」「揚げる」という調理法はまだ一般化されていません。
10世紀後半以降に、元は磁器を作るために使われていた石炭窯が料理用としても使われるようになり、強い火力での調理法が広まりました。
また、中国で米が食文化の中心となっていったのは7世紀から13世紀にかけてです。これらの広がりにあわせて、チャーハン(炒飯)も中国全土で親しまれるようになりました。
その後、当時の大都市であった揚州にて、さまざまな具材を加える「揚州炒飯」へと改良されました。この「揚州炒飯」が現在日本でも馴染み深い「五目チャーハン(炒飯)」に近いものであり、揚州出身の料理人たちが広く普及させたのだといわれています。
日本でも長い歴史のあるチャーハン(炒飯)
さて、このようなチャーハン(炒飯)が日本へ伝わったのははるか昔、7世紀から9世紀にかけてのことです。この頃の日本は先進国である中国の唐へ遣唐使を送り、さまざまな文化や制度を輸入していました。
この中に食文化も含まれ、平安時代の書物には「ゴマ油で米を炊く」という調理法が伝わってきたと記されています。しかし、この時の油で炊くという調理法はあまり普及しませんでした。
日本で今の形のチャーハン(炒飯)が一般に普及するのは明治以降のようで、その原型が日本に伝わってからだいぶ後のことになります。
家庭でのパラパラなチャーハン(炒飯)の作り方とは?味付けや調味料も確認
結論からいうと、家庭でもパラパラなチャーハン(炒飯)を作れます。
まずは、フライパンをしっかりと熱しましょう。軽く煙が出るくらいまでしっかりと熱してから油を入れてください。カロリーが気になるかもしれませんが、油はあまりケチってはなりません。
油の代わりにマヨネーズを使用しても味付けにコクが出るためおすすめです。
卵の投入方法に関してはさまざまなレシピがあります。お米一粒一粒を卵がきっちりコーティングしてくれているチャーハン(炒飯)が好みなら、あらかじめご飯と卵を混ぜておいてフライパンへ投入するのが簡単です。
対して卵の食感がある程度出るほうが好みなら、熱々のフライパンへ卵を割り入れ、まだ固まらないうちに卵の上へご飯を投入しましょう。お玉の底を使い、卵へ押し付けるようにしてご飯の塊を砕きつつ卵と混ぜるようにします。
この方法ではご飯が卵でコーティングされつつも卵の塊で食感を出すことができます。
そして最後のポイントです。味付けに醤油を使う場合は特に、ご飯へ直接かけないようにしましょう。せっかく水分を飛ばしたのに、調味料の水分をご飯が吸ってしまってはなりません。ご飯を寄せてスペースを作り、回しかけるように投入します。
中国発祥で長い歴史を持つチャーハン(炒飯)は、さまざまなアレンジがされ広く楽しまれている料理です。ぜひ自宅でもパラパラでおいしいあのチャーハン(炒飯)を楽しんでみてください。
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